-5℃。
北陸は強い寒気に覆われたが
そびえる妙高山が盾となって強い風をさえぎり
必要なユキだけを降らせてくれた。
2時間かけて2000m付近までハイクアップ。
膝上までの降雪は僕らに歓喜をもたらす。
足元から続く真っ新な雪面の先に
薄霧に包まれた深い森が漂っている。
弧を描く度に肩口をすり抜ける3月のユキは
あっという間に遥か彼方へと消え去ってゆく。
一新された僕のカラダは自由の身となって浮遊を繰返し、
振返れば稜線から続く一筋のラインが唯一の記憶。
今日はまさしく
the day
静寂なる森の中で空を見上げる。
樹々の合間からひらりユキが舞い落ちる。
明朝まで続くらしい。
きっと明日も忘れられぬ日になるだろう。