「昼間からシカの群れに出会ったよ」
牧場に住む子供達に聞いたら
「もっともっと大きな群れも見るよ」
「その群れを追いかけて犬が一晩帰ってこなかったんだ」
彼が指差す遠くに視線を向ければ
横たわる大地の向こうに濃密な森がひろがっていた。
それは飛び越えてはならない自然との境界線のよう。
翌朝、犬は真っ黒になって帰ってきたとか。
森の中で何があったのか。