20年前のロンドン。
フリーマーケットで中古時計を買った。
23歳にしてはじめての時計は、オメガ・シーマスター。
単純にシンプルで格好が良く、しかも2万円前後だったと記憶する。
だが、家具を持ち運ぶ度に手首は苦しめられ
家具の合間を歩く度にゴツゴツと当たる時計は
仕事の邪魔者でしかなく自然と時計から離れていった。
その時計は今日に至るまで妻の手首に上手に収まっていた。
が、ついに壊れた。リューズを延々と巻ける症状。ゼンマイ切れか?
近場の時計修理屋さんに預ける事ひと月。
オーバーホールされた時計が手元に戻ってきて
ベルト交換も済ませた。
改めてこの時計を眺めれば
時計と自分の良き関係性がずっと継続していたことに驚く。
好きなカタチは変わらないし、時計としてのバリューも自分に似合っている。
スタッフも増え家具を持ち運ぶことも少なくなり
この時計を数十年ぶりに巻いてみようと思うのです。